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WILLCOM W-SIM を使う

since 2010.02.22 / CORY

W-SIM は通信機能を端末から分離することで、端末メーカーから見ると通信機能の開発を分離することができ、詳しい無線技術を持たない事業者でも開発に参入できる利点があると言われます(実際に市場投入された端末の多寡はさておき-_-;)

一方、利用者から見れば、用途に応じて電話にもデータ通信にも様々に使い分けられるようになりました。これ1枚でPHSの特徴を幅広く活用できるようになり、筆者は通話にデータ通信にと、便利に愛用しています。

もっとも、商売としては必ずしも成功とは言えなかったのかもしれません。 実際に1回線を使い分ける需要がどの程度あるのか、また実際に使い分けるには複数の対応端末を持っている必要がありますが、追加端末の入手があまり容易でなく回線とのセット販売が主流だったこと、さらに WILLCOM の経営難など、さまざまな要因があるのでしょうが、語られていた様々な利点がどこまで活かされたか分からないうちに、2012年6月1日付けで、W-SIMの活用を推進していた「『WILLCOMコアモジュールフォーラム』は活動を終了いたしました。」との告知が出されてしまいました。

最近の WILLCOM では 070同士なら月額1,450円で24時間話し放題になる定額プランに加え、他社宛通話も10分・500回まで無料になる「だれとでも定額(一部の例外を除きW-SIMは適用対象外)や、データ通信が期間限定で廉価に使い放題になる [W-SIMセット] NS001UAX530S のスペシャルモデルが提供される、さらには「もう1台無料キャンペーン」が提供されるなど、通話・データとも低価格を売りにしていますが、2年・3年と長期の契約が必要になることから、使わない回線を契約期間満了まで使わずに「寝かせ」ている人も少なくないかもしれません。このW-SIMは、当初データ用に契約したものを音声通話用に転用しやすい(その逆も)ことも特長かと思います。

残念ながら W-SIM は終息に向かうようですが、今はまだ現役で使っている人も多いと思います。気軽に話せる廉価な音声通話回線として、安価で手軽かつ低遅延で使えるデータ通信用として、または余っている回線の有効活用も含め、W-SIM の活用を模索してみました。

目次

W-SIM 本体一覧 WILLCOM SIM STYLE 対応ジャケット一覧 ATコマンド W-SIM からライトメールを送る RX420AL vs RX420IN W-OAM TypeG による低遅延 WX-WSADP で W-SIM を収容 〜WILLCOM 回線を固定電話で使う IRM廃止とAIR発番 終了に向かう W-SIM

W-SIM 本体一覧


RX430AL「黒耳」
RX410IN
2005年/ネットインデックス/最初のW-SIM/AIR発番に未対応 ※2012年3月15日を以て新規契約・持込機種変更不可に
RX420AL
2006年/アルテル(エイビット)/W-OAM 対応/AIR発番 対応/リモートロック対応
RX420IN
2007年/ネットインデックス
RX430AL
2009年/アルテル(エイビット)/W-OAM typeG 対応

※上記以外にも、上記機種の型番違いや、PHS通信・通話機能を持たない端末CM-G100がある。

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WILLCOM SIM STYLE 対応ジャケット一覧


▲WS014IN

(JPEG 43KB)
▲AX530S / WS014IN+RX420IN


▲WS020SH "WILLCOM 03"

ウィルコムストア
▲WS026T "WILLCOM NS"

ウィルコムストア
▲WS027SH "HYBRID W-ZERO3"
WS001IN "TT" (Tiny Talk)
2005年/ネットインデックス/電話機/最初のW-SIM対応機
WS002IN "DD" (Data Driver)
2005年/ネットインデックス/データ通信専用(USB)/最初のW-SIM対応機
WS003SH "W-ZERO3"
2005年/シャープ/スマートフォン/Windows CE 5
WS004SH "W-ZERO3"
2006年/シャープ/スマートフォン/Windows CE 5
WS005IN "nico."
2006年/ネットインデックス/電話機/安心だフォン対応機
キッズケータイpapipo!
2006年/バンダイ/電話機/安心だフォン
WS007SH "W-ZERO3 [es]"
2006年/シャープ/スマートフォン/Windows CE 5
WS008HA
2006年/ハギワラシスコム/データ通信専用/ExpressCard/34(内部USB2.0)
WX-WSADP
2006年/岩崎通信機/回線アダプタ(PHS 2回線収容 ISDN I/F、カタログ説明書PDF参考記事
WS009KE "9 (nine)"
2006年/ケーイーエス(アスモ)/電話機
WS011SH "Advanced/W-ZERO3[es]"
2007年/シャープ/スマートフォン/Windows Mobile 6
USB-WSIM
2007年/アイ・オー・データ機器/データ通信専用/USB 1.1
KX-TS745JP
2007年/パナソニックコミュニケーションズ/電話会議用スピーカ→参考記事
WS005IN "nico+"
2007年/ネットインデックス/電話機/赤外線対応/安心だフォン対応機
WS009KE "9 (nine)+"
2008年/ケーイーエス(アスモ)/電話機/赤外線対応/ウィルコムガジェット対応
WS014IN
2008年/ネットインデックス/データ通信専用/PCMCIA TypeII
PCC-WSIM
2008年/アイ・オー・データ機器/データ通信専用/PCMCIA TypeII
WS016SH "WILLCOM D4"
2008年/シャープ/パソコン(UMPC)/Windows Vista Home Premium SP1
WS018KE "WILLCOM 9"
2008年/ケーイーエス(アスモ)/電話機/赤外線対応/ウィルコムガジェット対応
WS020SH "WILLCOM 03"
2008年/シャープ/スマートフォン/Windows Mobile 6.1
WS023T "WILLCOM LU"
2008年/東芝/電話機/赤外線対応/ウィルコムガジェット対応/カメラ内蔵
WS024BF "どこでもWi-Fi"
2009年/バッファロー/モバイルルータ
NS001U
2009年/ネットインデックス/RX420IN専用オプション扱い/データ通信専用(USB)
WS026T "WILLCOM NS"
2009年/東芝/タブレット端末(通話不可)/Windows CE 5.0・jiglets
WS005IN "nico♥"
2009年/ネットインデックス/電話機/赤外線対応/発信先限定/E-mail無し
WS027SH "HYBRID W-ZERO3"
2010年/シャープ/スマートフォン/Windows Mobile 6.5/W-CDMAにも対応
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ATコマンド

W-SIM は他の一般的なモデムでも使われているATコマンドで制御されます。ATコマンドは、他のWILLCOM端末(データ通信カードなど)と概ね同じのようです。

以下は RX430AL での例。ターミナルソフトは Windows 標準のハイパーターミナルでも、Tera Term のようなターミナルソフトでも、Unix なら cu や kterm などでも、使い慣れた物を使ってください。転送レートは〜57600, 120000, 240000bps の自動追従、データ8bit、パリティ無し、ストップ1bit、に設定します。

※ターミナルソフトでCOMポートを開き、最初に、RX430AL, RX420AL の場合は <CR>(Return/Enter)を2回、RX420IN, RX410IN の場合は1回、送ります。OKが返ってきたらATZ<CR>とすると、以降エコーバックが返ってくると思いますが、来ない場合はさらにATE1<CR>でエコーバックが返ってくるようになるでしょう。なお、以下では<CR>のみを送る行を除き<CR>表示を省略していますが、各コマンドは最後に<CR>(Return/Enter)を送る必要があります



<CR>(Return/Enter)1〜2回
OK
ATZ	←ここまでエコーバック無効のため入力した文字が見えない
OK
ATI0
OK
ATI1
OK	←モデム有効
ATI2
PHS	←モデムの種類

OK
ATI3
ALTEL	←端末メーカー

OK
ATI4
RX430AL	←機種名

OK
ATI5
1.04	←ファームウェアバージョン

OK
ATI6
0705*******	←電話番号

OK
ATI7
OK
ATI8
OK
ATI9
0	←データ端末形態識別

OK
AT@Y
24*******	←PSID

OK
AT&F	←設定値を工場出荷時へ戻す
OK
AT&V	←主な設定値一覧
--- Profile Information ---
AT command :
  E1    Q0    V1    X4   %C3
 \V1   \X0   &C1   &D2   &K3   &S0
 #A1    #B0:0:0    #C0   #I0   #S0
 @B0   @D1   @M01  @O--  @P1

S register :
S0  :000  S7  :050  S25 :005  S30 :000  S103:002
S86 :000/000  S236:000

Phone Number : 0705*******

OK

AT@K20	←基地局のCSIDと受信信号強度(dB)
81C*******00,72
81C*******02,44
81C*******02,39
81C*******00,32
81C*******02,31
81C*******00,30
81C*******02,30
81C*******00,30
81C*******02,27
81A*******02,24
OK
AT@@LVL	←走査できる基地局数と受信レベル(0-5)
08
5
5
5
5
3
3
5
5

OK
AT@@LNK	←現時点で同時接続できる最大リンク数
4

OK

AT@LBC1	←位置情報取得ON
OK
AT@LBC?	←位置情報取得
-	←ONにした直後や、ホームアンテナ接続時は
-	 位置情報を取得できない
-

OK
AT@LBC?	←しばらく待ってからもう一度位置情報取得
21*****	←郵便番号
N35:**:**	←緯度
E139:**:**	←経度

OK
AT@LBC2	←位置情報取得OFF
OK

AT@@RMINF	←国際ローミング情報取得
1,0466,TAIWAN,FITEL,1
2,052A,Thailand,true,1
3,01C4,Vietnam,VNPT,1
4,046A,CHINA 1,CHINA PHS 1,1
5,046A,CHINA 2,CHINA PHS 2,2
6,,,,
7,,,,
8,,,,
9,,,,
10,,,,

OK
AT@@RMCNG0	日本モード切替
OK

詳しくは…

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ウィルコムストア

W-SIM からライトメールを送る

Sレジスタ202番に、送る文字列の文字コード (ASCII / Shift JIS) を10進数3桁で並べて指定。先頭には 128145000013 を設定する。 その後、ATDI コマンドで発信するとライトメールが送られる。 (Thanx: Zero3をちょい研究!ブログさん)

例えば「てすと」と送る場合、シフトJISコードを1バイトずつ10進数3桁で並べて…
て = 82C4h = 130 196
す = 82B7h = 130 183
と = 82C6h = 130 198
これを順に並べてS202レジスタに設定する。

※文字コードを調べるのが面倒な場合は、Bz のような日本語対応バイナリエディタを使い、文字コードをシフトJISに設定してから、送りたい文字列を入力し、対応する文字コードが16進で表示されるので関数電卓で10進にする方法や、テキストファイルに文字列を入力して10進表示対応のバイナリビューアで表示する方法などがあります。お好きな方法でどうぞ。

(PNG 18KB)
▲WILLCOM 03 に送った時の受信例
例:「てすと」を送る場合(下線部が文字列部分)
ATS202=128145000013130196130183130198
例:「123ABCdef」を送る場合(  〃  )
ATS202=128145000013049050051065066067100101102

注:ライトメールの制限により一度に送れるのは90バイトまで。シフトJISコードのため、いわゆる全角文字は1文字で2バイト(全て全角文字の場合は45文字まで)。いわゆる半角カナも可。

<CR>
<CR>
OK
ATZ	←ここまでは単なる初期化
OK
ATS202=128145000013…
OK	↑S202レジスタに送信文字列を設定。詳しくは前述
ATDI0705*******	←070…はライトメール送信先の電話番号
NO CARRIER	←送信後は回線切断され NO CARRIER が返る
ATS202?
0	←送信後S202の内容は消える

OK
ATS86?
000/000	←送信完了するとS86(網切断理由)が0になる

OK
ATS202=128145000013…
OK
ATDI0705*******
BUSY	←話中
ATS202?
0	←送信失敗してもS202の内容は消える

OK
ATS86?
069/017	←網切断理由:相手側/着ユーザビジー

OK
ATS202=128145000013…
OK
ATDI0706*******
NO CARRIER	←電源を切っているためつながらない
ATS86?
069/020	←網切断理由:相手側/加入者不在

OK

【参考】ATコマンドでライトメール送信Sレジスタ(PDF)ARIB 標準規格 RCR STD-28 5.2版(網切断理由はp436-438を参照)

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RX420ALRX420IN
ATZ
OK
ATI2
PHS

OK
ATI3
ALTEL

OK
ATI4
RX420AL

OK
ATI5
1.07

OK
ATI6
0706*******

OK
ATI9
0

OK
AT@K20
8185******02,50
8185******00,45
8185******02,43
8185******02,41
8185******02,35
81E9******02,33
8185******02,33
81E9******02,31
8185******02,30
8185******00,30
8185******02,30
8185******02,30
8185******02,30
8185******00,29
8185******02,28
8185******00,27
8185******00,27
8185******02,26
8185******00,25
8185******02,24
OK

AT@@LVL
13
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5

OK
AT@LBC1
OK
AT@LBC?
21*****
N35:**:**
E139:**:**

OK
AT@LBC2
OK
ATZ
OK
ATI2
PHS

OK
ATI3
NetIndex Inc.

OK
ATI4
RX420IN

OK
ATI5
v1.04.00

OK
ATI6
0705*******

OK
ATI9
0

OK
AT@K20
8185******02,39
8185******02,39
8185******00,37
8185******02,34
8185******02,32
8185******02,31
8185******02,30
8185******02,30
8185******02,28
81E9******02,27
8185******00,25
8185******00,21
8185******00,18
8185******02,17
8185******00,15
8185******00,15
8185******02,15
8183******02,15
8185******02,15
8185******02,15

OK
AT@@LVL
13
5
4
4
3
3
3
3
2
2
2
2
1
0

OK
AT@LBC1
OK
AT@LBC?
21*****
N35:**:**
E139:**:**

OK
AT@LBC2
OK

RX420AL vs RX420IN

ネットインデックスから発売された最初のW-SIM RX410IN に続き、W-OAM や AIR発番などに対応した W-SIM RX420AL 通称「赤耳」が発売され、W-SIM 普及期に入ったと思います。筆者も WS009KEと一緒に購入した初めての W-SIM が RX420AL でしたが、その前に使っていた電話機WX310Jから違和感無く使っていました。

(JPEG 22KB)
RX420INRX420AL

電波受信感度の微妙な違い

ところで、W-SIM 全盛期の RX420 は、アルテル(今のエイビット)製の RX420AL と、ネットインデックス製の RX420IN 通称「青耳」があります。この2機種は、カタログ仕様を見比べてもほとんど同じ。消費電力は RX420AL の方が若干高めかな、くらいの違いです。でも、消費電力や質量などが違うので(下に比較表)、OEM品などではなく、中身にも違いがあるのでしょう。


RX420ALRX420IN
通信方式


変調方式
国際ローミング
制御コマンド
アンテナ
ユーザメモリー
外形
質量
消費電力
 4xパケット通信時
 1xパケット 〃
 64kPIAFS(BE)〃
フレックスチェンジ
 音声通話時
 待受時
同梱品
4x/2x/1xパケット方式
フレックスチェンジ方式
64K/32K PIAFS
BPSK,QPSK,8PSK,
台湾、タイ
ヘイズ標準ATコマンド準拠
内蔵アンテナ
約1Mbyte(電話帳MAX700件)
W25.6×D42.0×H4.0mm
約5g

約195mA
約90mA
約122mA
約135mA

約0.6mA
取扱説明書兼保証書
4x/2x/1xパケット方式
フレックスチェンジ方式
64kPIAFS(BE)、32kPIAFS
BPSK、QPSK、8PSK
タイ・台湾に対応
ヘイズ標準ATコマンド準拠
内蔵アンテナ

約W25.6×D42.0×H4.0mm
約8g

約160mA以下
約75mA以下

約155mA以下
約75mA以下
約0.6mA以下
取扱説明書(保証書)

初めての W-SIM は RX420AL だった筆者ですが、その後 WILLCOM 03 への機変に伴い RX420IN を使うようになり、すると以前は普通に使えていた場所で、通話はおろかメールすらまともに受信できなくなってしまいました。

この両者の違いは何なのか。上記機種変更のずいぶん後ですが、データ通信用980円スペシャルの RX420AL を追加契約した際に、同じ場所から電波の掴みを比べてみようと思って試したのが右の電測。これだけでは断定はできませんが、比べてみると「赤耳」の方が受信感度が良いように見えます。

この違いはデータ通信の転送レートにも表れていて、SPEED TEST 500KB の結果が「青耳」では 120kbps 前後が多かったのですが、「赤耳」では 140〜170kbps 出るようになりました。

(PNG 28KB)
▲RX420AL「赤耳」で SPEED TEST

制御コマンドの微妙な違い

このアルテル製とネットインデックス製の違いは、思わぬ所で影響しています。岩崎通信機 WX-WSADP(後述)Planex CQW-MRB はいずれも RX420IN では使えますが、RX420AL, RX430AL では使えません。

この原因は不明ですが、筆者が試した範囲でも、最初の初期化時に RX410IN, RX420IN では CR を1回送ると OK が返ってくるのに対し、RX420AL, RX430AL では CR を2回送って OK が返ってきます。 また、右上に例がありますが、AT@K の戻り値の最後に、RX4x0INでは空行が入ってきますが、RX4x0ALでは空行はありません(上の例ではOKの後1行送って合わせています)

W-SIMの制御用ATコマンド自体は共通のはずですが、こうした微妙な挙動の違いが、ファームウェアの対応の仕方によっては不具合の原因になり、かたや使える・使えないの違いになっているのかもしれません。

SPECIALデータカード

NS001U

ネットインデックス製 RX420IN の専用オプションとして、同社より NS001U というUSBアダプタが発売されています。これは「SIM STYLE対応」と謳われていますが、RX420IN 専用品扱いになっており、他の W-SIM では使えないという特殊なジャケットです。

こいつの登場で、一部の W-SIM はUSB互換機能を持っていることが分かりました:-)。

というのも、他の W-SIM 対応USBアダプタは USB-Serial 変換ICを積んでいますが、どうも NS001U にはドライバICは搭載されておらず(参考:NS001Uを開いてみた - マイコン工作実験日記、つまり W-SIM 側で USB-Serial 変換機能を持っているもの考えられます。

よって NS001U は「WILLCOM SIM STYLE」対応ジャケットではなく、公式には RX420IN でしか使えないことになっています。 ところが、RX430AL には同機能が搭載されているようで、有志により RX430AL対応・非公式NS001Uポートドライバが提供されています。

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(JPEG 87KB)
▲W-OAM typeG の特長AX530INより)

W-OAM TypeG による低遅延

W-OAM typeG

W-SIM では RX430AL より対応しました。詳しくは上記リンク先右画像のリンク先をご覧いただければと思いますが、変調方式の追加(とその切り替え手順の高速化)により、電波状態が良い時はより転送レートを高くし、電波状態が悪い時はよりエラー発生を抑える伝送方式に随時切り替えることで、従来比で高速化と切れにくさを両立させているようです。

※リンク先が消されてしまったようです。参考情報:W-OAM typeGってなんですか?WILLCOM AX530IN

ただし、基地局・端末ともに W-OAM typeG に対応していないとこの性能は出ないので、比較的利用が多い都心部などでは typeG の恩恵が受けられる一方、郊外など基地局更新があまり進んでいない地域では恩恵が限定的かもしれません。

筆者は、以前の W-OAM に対応した RX420IN から、typeG を採用した RX430AL に変更し、パソコンからのデータ通信はかなり使い勝手が向上したと感じられます。 電波状態の良い所での伝送速度の向上もありますが、特筆したいのは遅延の低さです。

※ただし電話機(WILLCOM 03、nine など)で使っていると、上記の特長がある反面、電池の持ちが幾らか悪くなったのと、圏外からの復帰に時間がかかるようになったように感じられます。

最近、転送レートを 100kbps 程度に制限するかわりに比較的安価にデータ通信回線を使える USIM カードを販売する MVNO 事業者があります。そうした MVNO でよく使われているNTTドコモのW-CDMA(俗に3G)回線と比較すると、遅延の差は明らかです。

100kbps 程度でも用が足りる用途はありますが、いくら高速化(データ伝送量の拡大という意味で)しても、遅延が大きいと使い勝手を大きく損なう用途が存在します。筆者のようにSSHなどのリモートコンソールを多用する用途は典型例ですが、他にも VoIP や、最近のAjaxを多用したWeb閲覧などでも効果を体感できるのではと思います。

W-OAM typeG と W-CDMA(3G)、WiMAX、LTEの遅延比較

この遅延は、pingtraceroute などのネットワーク管理ツールを使って目安を知ることができます。

筆者の利用環境で試した例では、FTTHUcom 旧GATE01 光ファイバー接続サービス、下記例)に直接接続した端末より www.google.co.jp までは 2-4ms、無線LAN経由で間にNATが入ると同3-7ms程度。以下で比較する Google Public DNS 宛では 30ms 程度になりますが、これは途中の混雑もあるのだと思われます。

【参考例】FTTH(Ucom 旧GATE01 光ファイバー接続サービス直結)
% traceroute www.google.co.jp
traceroute: Warning: www.google.co.jp has multiple addresses; using 74.125.235.151
traceroute to www-cctld.l.google.com (74.125.235.151), 64 hops max, 40 byte packets
 1  *** (219.***.***.***)  1.391 ms  1.300 ms  1.285 ms
 2  *** (58.***.***.***)  1.232 ms
    *** (58.***.***.***)  1.082 ms
    *** (58.***.***.***)  0.767 ms
 3  *** (221.***.***.***)  1.357 ms
    *** (221.***.***.***)  0.925 ms
    *** (221.***.***.***)  2.440 ms
 4  *** (61.***.***.***)  2.161 ms
    *** (61.***.***.***)  2.002 ms
    *** (61.***.***.***)  2.105 ms
 5  *** (61.***.***.***)  2.283 ms
    *** (61.***.***.***)  2.047 ms
    *** (61.***.***.***)  2.109 ms
 6  *** (61.***.***.***)  2.169 ms
    *** (58.***.***.***)  18.568 ms
    *** (61.***.***.***)  2.231 ms
 7  209.85.241.94 (209.85.241.94)  2.297 ms
    58x159x238x42.ap58.ftth.ucom.ne.jp (58.159.238.42)  2.414 ms
    209.85.241.94 (209.85.241.94)  2.218 ms
 8  209.85.241.94 (209.85.241.94)  2.544 ms
    209.85.241.129 (209.85.241.129)  2.520 ms
    209.85.241.94 (209.85.241.94)  2.379 ms
 9  nrt19s11-in-f23.1e100.net (74.125.235.151)  2.346 ms
    209.85.241.129 (209.85.241.129)  3.547 ms
    nrt19s11-in-f23.1e100.net (74.125.235.151)  2.544 ms

% ping 8.8.8.8
PING 8.8.8.8 (8.8.8.8): 56 data bytes
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=0 ttl=48 time=34.707 ms
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=1 ttl=48 time=34.535 ms
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=2 ttl=48 time=35.530 ms
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_seq=3 ttl=48 time=33.677 ms
^C
--- 8.8.8.8 ping statistics ---
4 packets transmitted, 4 packets received, 0.0% packet loss
round-trip min/avg/max/stddev = 33.677/34.612/35.530/0.658 ms

% traceroute 8.8.8.8
traceroute to 8.8.8.8 (8.8.8.8), 64 hops max, 40 byte packets
 1  *** (219.***.***.***)  0.964 ms  0.804 ms  0.746 ms
 2  *** (58.***.***.***)  0.695 ms
    *** (58.***.***.***)  1.216 ms
    *** (58.***.***.***)  0.684 ms
 3  *** (221.***.***.***)  1.217 ms
    *** (221.***.***.***)  0.848 ms
    *** (221.***.***.***)  1.125 ms
 4  *** (61.***.***.***)  2.146 ms
    *** (61.***.***.***)  1.831 ms
    *** (61.***.***.***)  1.963 ms
 5  *** (61.***.***.***)  2.293 ms
    *** (61.***.***.***)  1.890 ms
    *** (61.***.***.***)  1.960 ms
 6  *** (61.***.***.***)  2.185 ms
    *** (58.***.***.***)  2.242 ms
    *** (61.***.***.***)  2.062 ms
 7  209.85.241.94 (209.85.241.94)  75.014 ms
    58x159x238x42.ap58.ftth.ucom.ne.jp (58.159.238.42)  2.184 ms
    209.85.241.94 (209.85.241.94)  2.075 ms
 8  209.85.241.90 (209.85.241.90)  2.514 ms
    209.85.255.34 (209.85.255.34)  39.869 ms
    209.85.241.90 (209.85.241.90)  77.520 ms
 9  209.85.255.39 (209.85.255.39)  54.098 ms
    209.85.255.34 (209.85.255.34)  4.808 ms
    209.85.255.39 (209.85.255.39)  35.495 ms
10  209.85.255.39 (209.85.255.39)  34.956 ms
    209.85.243.21 (209.85.243.21)  33.722 ms
    209.85.255.217 (209.85.255.217)  41.485 ms
11  * 209.85.243.21 (209.85.243.21)  34.361 ms *
12  * google-public-dns-a.google.com (8.8.8.8)  35.420 ms *

同じ計測を無欄モバイルネットワークサービスで試してみると、WILLCOM RX430AL(W-OAM typeG、IIJmio モバイルアクセス、下記例)では 5-70ms程度。ただし WILLCOM RX420IN(W-OAM、同)では 2-300ms程度まで長くなります。0.2秒の差ですが、筆者はこの W-OAM typeG による低遅延の恩恵を重視しています。

参考までに、最近の無線モバイル通信技術で比較してみると、WiMAXAtermWM3500RBIGLOBEでは 70-100ms程度、NTTドコモ LTEL-02CIIJmio モバイルアクセス/Dでは 4-60ms程度。 筆者の感覚では、100msを切ってくる(つまり2桁になる)と、体感でストレスが溜まりにくいくらいになってきます。

WILLCOM WS014IN + RX430ALIIJmio モバイルアクセス)

C:\>ping 8.8.8.8

Pinging 8.8.8.8 with 32 bytes of data:

Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=48ms TTL=57
Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=49ms TTL=57
Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=57ms TTL=57
Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=71ms TTL=57

Ping statistics for 8.8.8.8:
    Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
    Minimum = 48ms, Maximum = 71ms, Average = 56ms

C:\>tracert 8.8.8.8

Tracing route to google-public-dns-a.google.com [8.8.8.8]
over a maximum of 30 hops:

  1    55 ms    54 ms    54 ms  tky001nas00.IIJ.Net [210.148.39.145]
  2    57 ms    54 ms    54 ms  tky001ipgw11.IIJ.Net [58.138.101.133]
  3    75 ms    54 ms    54 ms  tky001bb11.IIJ.Net [58.138.101.13]
  4    54 ms    54 ms    54 ms  tky008bf00.IIJ.Net [58.138.80.33]
  5    89 ms    63 ms    60 ms  tky001ix05.IIJ.Net [58.138.82.10]
  6    61 ms    60 ms    58 ms  210.130.133.34
  7    55 ms    60 ms    58 ms  209.85.249.195
  8    58 ms    60 ms    58 ms  209.85.243.57
  9    56 ms    60 ms    59 ms  209.85.241.139
 10    56 ms    64 ms    59 ms  google-public-dns-a.google.com [8.8.8.8]

Trace complete.



UQ WiMAXAtermWM3500RBIGLOBE)

C:\>ping 8.8.8.8

Pinging 8.8.8.8 with 32 bytes of data:

Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=206ms TTL=53
Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=88ms TTL=53
Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=91ms TTL=53
Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=202ms TTL=53

Ping statistics for 8.8.8.8:
    Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
    Minimum = 88ms, Maximum = 206ms, Average = 146ms

C:\>tracert 8.8.8.8

Tracing route to google-public-dns-a.google.com [8.8.8.8]
over a maximum of 30 hops:

  1     2 ms     2 ms     1 ms  web.setup [***.***.***.***]
  2   224 ms    78 ms    79 ms  119.107.194.161
  3     *       82 ms    84 ms  133.205.59.233
  4    86 ms    84 ms    84 ms  133.205.59.234
  5   106 ms    79 ms    84 ms  122.131.0.66
  6    85 ms   159 ms    79 ms  111.168.0.198
  7    86 ms    84 ms    84 ms  122.130.0.229
  8    86 ms    84 ms    84 ms  122.134.0.73
  9    86 ms    84 ms    84 ms  210.147.255.146
 10    85 ms    90 ms   229 ms  72.14.239.202
 11   156 ms    85 ms    89 ms  209.85.243.59
 12   155 ms    89 ms   159 ms  209.85.241.139
 13    84 ms    84 ms    84 ms  google-public-dns-a.google.com [8.8.8.8]

Trace complete.
NTT Docomo LTEL-02CIIJmio モバイルアクセス/D)

C:\>ping 8.8.8.8

Pinging 8.8.8.8 with 32 bytes of data:

Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=39ms TTL=56
Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=55ms TTL=56
Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=53ms TTL=56
Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=52ms TTL=56

Ping statistics for 8.8.8.8:
    Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
    Minimum = 39ms, Maximum = 55ms, Average = 49ms

C:\>tracert 8.8.8.8

Tracing route to google-public-dns-a.google.com [8.8.8.8]
over a maximum of 30 hops:

  1     *        *        *     Request timed out.
  2    61 ms    51 ms    67 ms  tky008nasgw10.IIJ.Net [210.138.170.10]
  3    61 ms    59 ms    59 ms  tky008ipgw10.IIJ.Net [210.138.115.129]
  4    67 ms    51 ms    57 ms  tky008bb11.IIJ.Net [58.138.104.205]
  5    61 ms    59 ms    64 ms  tky009bf00.IIJ.Net [58.138.80.233]
  6    56 ms    59 ms    59 ms  tky001ix05.IIJ.Net [58.138.82.18]
  7    50 ms    59 ms    59 ms  210.130.133.34
  8    47 ms    59 ms    60 ms  209.85.249.195
  9    57 ms    59 ms    59 ms  209.85.243.57
 10    52 ms    51 ms    39 ms  209.85.241.139
 11    44 ms    39 ms    39 ms  google-public-dns-a.google.com [8.8.8.8]

Trace complete.
NTT Docomo W-CDMAL-02CIIJmio モバイルアクセス/D)

C:\>ping 8.8.8.8

Pinging 8.8.8.8 with 32 bytes of data:

Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=396ms TTL=56
Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=344ms TTL=56
Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=554ms TTL=56
Reply from 8.8.8.8: bytes=32 time=332ms TTL=56

Ping statistics for 8.8.8.8:
    Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
    Minimum = 332ms, Maximum = 554ms, Average = 406ms

C:\>tracert 8.8.8.8

Tracing route to google-public-dns-a.google.com [8.8.8.8]
over a maximum of 30 hops:

  1     *        *        *     Request timed out.
  2   364 ms   469 ms   439 ms  tky008nasgw10.IIJ.Net [210.138.170.10]
  3   390 ms   439 ms   529 ms  tky008ipgw10.IIJ.Net [210.138.115.129]
  4   338 ms  1379 ms   439 ms  tky008bb10.IIJ.Net [58.138.104.201]
  5   394 ms   399 ms   769 ms  tky009bf01.IIJ.Net [58.138.80.69]
  6   440 ms   879 ms   759 ms  tky001ix01.IIJ.Net [58.138.80.118]
  7   345 ms   839 ms   529 ms  210.130.133.78
  8   572 ms   409 ms   389 ms  209.85.241.90
  9   337 ms   579 ms   779 ms  209.85.243.59
 10   743 ms   639 ms   499 ms  209.85.241.139
 11   599 ms   779 ms   849 ms  google-public-dns-a.google.com [8.8.8.8]

Trace complete.

一方、いわゆる3G、NTTドコモの W-CDMA(L-02C、IIJmio モバイルアクセス/D、HSDPA/HSUPA)では実に1桁増えて 4-800ms程度にまで遅くなります。

無線通信技術は有線通信に比べて遅延が大きくなりがちですし、たかだか0.1秒と思うかもしれませんが、電子機器の分野でミリ秒単位の遅延はけっこう大きなもの。この積み重ねが使用感を損なうようになります。 1995年に商用サービスが始まったPHSを基礎としながら、最新の商用通信技術と比べても遜色ない低遅延を実現している W-OAM typeG の恩恵は、技術的には古いPHSの長期的な活躍を支えている重要な要素だと思います。

この W-OAM は「高度化PHS」とも呼ばれ、1995年より商用サービスが始まったPHSを基礎としながら、変調方式の追加など改良を加えたもので、2000年より「PHS高度化方策委員会」で検討が始まり、2006年よりサービスが始まったものです。当時はまだPHSデータ通信が伝送レート競争においても競争力を持っていた時代でした。その後の進化が止まってしまった PHS に対し、W-CDMA は HSPA が登場し、最近は単なる仕様上の伝送レートが誇張されるので(実際にはその何割も出ないのに)尚のこと、大きく水を開けられる格好になりましたが、用途によってはまだまだ PHS データ通信の活躍できる場面も多いのではと思います。

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WX-WSADP で W-SIM を収容 〜WILLCOM 回線を固定電話で使う

W-SIM は、WILLCOM SIM STYLE 対応の「ジャケット」と呼ばれる電話機やデータ通信端末に差し替えて使うことで、1回線でいろいろ出来、しかも比較的省電力なPHSらしい魅力的な端末だと思いますが、一方でPHSにはISDNを基盤とする通信方式という特徴もあります。 このW-SIMとISDNの両者を活かした素晴らしいアダプタ WX-WSADP が、岩崎通信機より発売されていました。 最大2枚のW-SIMを収容でき、INS64同様に最大2回線分の通信機能を提供するものです。(W-SIM 1枚だけでも使えます。)

もっとも、この製品は同社製PBX用オプションという位置づけで、入手しづらい、価格が高い(扱っていた店では7万円ほどしたらしい)、他社製品との組み合わせでは動作保証が無いといった問題はありますが、実機を入手する機会があったので、試してみました。

手持ちの ISDN TA AtermIW60 のS/T点と、WX-WSADP のPBXポートを、RJ-45ストレート接続のケーブル(手頃なところではLANケーブル)でつなぎ(TA側の終端抵抗はONにする)、各々の電源を入れると、自動認識し、アナログポートでの発着信、自営3版で子機登録した端末での発着信、ともに正常動作(ただしアナログポートに接続した G3 FAX は残念ながらうまく動作せず)。W-SIM を2枚入れておけば2回線同時に使うこともできます。

ただし、メーカー公式に対応しているW-SIMは RX410IN のみ。筆者の手持ちの全4種類の W-SIM で試してみた所、RX410IN, RX420IN は動作するが、RX420AL, RX430AL が1枚でも入っていると初期化に失敗するのか、異常を示す全灯点滅の後再起動を繰り返すような動作になり、使えませんでした。

何はともあれ、これを使えば PHS 回線を簡単に VoIP に収容したりもできそうです。

注:2012年3月現在、WX-WSADP は生産終了、RX410IN も新規契約・持込機種変更が出来なくなっています(後述)。また、W-SIM は「だれとでも定額」契約できません(2010年11月30日以前にW-SIM対応通信機器で契約した場合と、一部店舗で実施していた(すでに終了)スペシャルモデルを除く)

【参考】 CEATEC 2006 JAPAN - 岩崎通信機、PBXに接続するPHSアダプタを展示(PDF)W-SIM対応 PHSアダプタ取扱説明書 WX-WSADP

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IRM廃止とAIR発番

(JPEG 22KB)

IRM廃止とAIR発番未対応機種への持込機種変更受付終了

PHSでは一般に、IRM (Initial Registration Machine) と呼ばれる、電話機に電話番号を書き込むための機械を使って、電話機を書き込みます。 筆者は残念ながら見た事がありませんが、引き出しが付いていて、そこに電話機を入れて(おそらく電波暗室になっているのでしょう)、無線で書き込んでいるようです。解約後の電話機の電話番号消去などもこの機械で行っていたようです。

しかし、最近の機種は全てAIR発番に対応していることや、2012年3〜5月に行われたPHSの制御チャネル移行も関係しているのか、2012年3月15日を以て、IRMの扱いが廃止されてしまったそうです。筆者が3月下旬に持込電番消去のためにウィルコムプラザを訪ねた時に聞きましたが、その前に特段の告知は出ておらず、ホームページの「修理受付終了機種および各種サポート終了機種について」告知もその時はまだ出ていなかったので、寝耳に水で驚いた記憶があります。

もっとも、今では全機種がAIR発番に対応して、IRMを配備しない販売店でもFAXのやり取りだけで契約や機種変更の扱いが出来るようになったり、通販で機種変更しても電話機到着日まで以前の機種が使えるなどの利点があります。

また、すでに番号が登録されている解約済み電話機、いわゆる灰ROMの場合、電話番号を消すことは出来なくなりましたが、AIR発番で持込機種変更できるのだそうです。以前、灰ROMはウィルコムプラザでないと持込契約できないと言われたのですが、その辺りの事情も変わっているのかもしれません。

AIR発番でうまく登録されないときは

余談ながら、「もう1台無料キャンペーン」終了間際の2012年3月に店頭で新規契約した際、電話機に番号が登録されず1日待たされた事がありました。今はIRMが廃止されており、全てAIR発番で番号登録されますが、込み合っているせいか、その番号登録で待たされる事があります。通販で機種変更した場合も、新しい端末になかなか番号登録されない時があります。

そういう時は、W-SIMに限りませんが、一旦電源を落とし、[6][8][*]を押しながら電源を入れると、電話機が番号登録を始める(右写真)ので、番号登録で待たされるようなら試してみましょう。

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終了に向かう W-SIM

WILLCOM CORE MODULE FORUM 終了

W-SIM は基本的にどこの製品でも共通に使えるよう、「WILLCOMコアモジュールフォーラム」が仕様を定め、会員企業等にNDR契約の上開示されていたようです。一般向けに開示された仕様は極めて限定的でしたが、有志により解析された情報も参考にしながら、筆者もいろいろ試していました。

【参考】W-SIM - osdev-j (MMA)W-SIMの仕様W-SIM探求

ところが、これも思えば突然でしたが、2012年 6月 1日付けでホームページに「『WILLCOMコアモジュールフォーラム』は活動を終了いたしました。」の告知が掲載され、閉鎖されてしまいました。

(JPEG 14KB)

筆者は2012年3月に、某所で見かけた在庫処分の WS018KE (WILLCOM 9) を新規契約してきたのですが(右図、価格は980円×24回)、今ではW-SIM対応の電話機を新規契約できる機会が珍しく、その後、ウィルコムストアに唯一残っていたデータ通信用の NS001U も 6月中旬には在庫切れになってしまいました。

経営再建中の同社の方針としては、複数の筋より、W-SIMは終息させる方向と聞いています。これが最後のW-SIM機になるのかと思うと寂しいですが、今でもW-SIM機を愛用している筆者としては、今後も大事に使ってゆきたいと思います。

サポートコイン電池パックを買えなくなった

2012年10月、ウィルコムストアで電池パックを買おうとしたら、サポートコインが使えなくなっていました。

電池の持ちが悪くなると機種変更してしまう人もいるでしょうし、最近は電池を取り外せない機種もありますが、使い慣れている機種を長く使い続けたい、忙しいのであまり機種変更したくない、という人もいるでしょう(筆者も4年ほど WILLCOM 03 を使い続けています)。本体を大事に使って故障しなくても、電池は使うほど弱ってきますので、電池パックの交換は不可欠です。

WILLCOM の場合、他社で行われているような(後述)使用期間に応じ/安心サポートを付ければ電池パック無料提供といったサービスが一切無いので、電池はまともに買わねばなりません。直営Web通販のウィルコムストアかウィルコムプラザ・カウンターで買うことができますが、電話機用で3〜4千円、スマフォ用では4〜5千円と、けっこうなお値段になります。

ただし、ポイントサービスが税別100円→2ポイント、500ポイント→1コインで、直営Web通販で電池パックを買う時には1コイン=700円換算(2.8%相当)で使うことができました。 docomo=1〜4%、au=1%2012年4月より、softbank=1%2012年8月より なので、付与率は悪くありません。と言っても電池パック自体の価格が高い(後述)のでお得感は全く無いのですが、それでも電池パックは長く使う人ほど必要な物なので、とても良いサービスだと思います。

ところが、WILLCOMの経営難が盛んに報じられていた時期は、その直営通販ですら電池パックの品切れ状態が続き、入荷してもすぐ売り切れてしまうなど、入手が困難な時期がありました。筆者もこの時期に電池パックを買いましたが、店頭で買うとサポートコインを使えず、他にコインの使い道がほとんど無いものですから、なかなか入荷せず困った覚えがあります。

半年ほどかかって入荷状況はだいぶ良くなり、その時に WILLCOM 03 用を1つ購入したのですが、別回線で使っている HYBRID W-ZERO3 用の電池も買おうと思った矢先、今度はサポートコインで電池パックを買えなくなってしまいました…

IRMの時もそうでしたが、全く予告せず、気づいたらサービス低下しているのを見ると、がっかりします。些細な事かもしれませんが、こういう事を積み重ねると、利用者を不安にするのではと思うのですよね…

ところで、WILLCOM STORE の twitter アカウントがあるので覗いてみたら、10月中旬に関連するやり取りがありました。

@kyouta_urushino 恐れ入りますが、コインの利用できる商品は随時変更させて頂いております。電話機の購入時や修理サポート時などで引き続きご利用いただけますので、よろしくお願いいたします。

— WILLCOM STOREさん (@willcom_store) 10月 12, 2012

また、こんなやり取りも見かけました…

@kyouta_urushino W-SIMも複数機種あり、すでに修理できないものもございます。修理終了機種はwillcom-inc.com/ja/support/clo…に記載しておりますので、ご確認ください。RX410INもすでにメーカー対応が終了しており、修理をお受けすることができません。

— WILLCOM STOREさん (@willcom_store) 9月 27, 2012

灰耳やAIR発番非対応機種の話は以前に書きましたが、W-SIMを愛用している筆者も、ウィルコムプラザの店員さんから、W-SIM機は貴重だから大事に使ってくださいねーと言われた事があります(苦笑)。W-SIMを選んでいる人は、もう安易に機種変更できないですよね…筆者の手元には灰ROMになったW-SIMが何枚か(青耳×2、赤耳×1、灰耳×1、だったかな)ありますが、灰耳はともかく、赤耳、青耳もそろそろ不安になってきてしまいますね。

この調子だと、既存のサービスがいつ無断で打ち切られるか分からないと不安になってきます。手元にあるサポートコインやW-SIMも、いつ使えなくなるか分かりません。 請求照会して見たら18コイン貯まっていたので、遊んでいる0円回線(昔の「もう1台無料」で追加したが、機種が使いにくくて結局使っていない)を、余っている手持ちのW-SIMに機種変更してコインも使ってしまおうかと、考えてしまいます。

ちなみに、2012年8月より「ソフトバンクポイントプログラム」をリニューアルし、9月までで「オプション品などの交換」は終了、10月付けで「オンラインショップでの「オプション品などの購入」にポイントが使えるようになりました。」とありました。 auでも2012年4月よりポイント付与率が引き下げられています。 他社のこうした動きは、今回のWILLCOMでのサポートコイン改悪と関係あるのでしょうか?それにしても、WILLCOMのやり方はまずいだろうと思いますが…

(参考)携帯電話各社の電池パック関連サービスについて
docomo / au / softbank 各社とも、Web直販での電池パック販売価格はあまり高くなく、WILLCOMに比べると2/3〜半額くらいの感覚です(スマフォや無線ルータは機種によって電池容量がだいぶ違うので、電話機での比較)。 Web直販ではポイントも使え(softbankは2012年10月から、docomoやauでは1年くらいで電池パックに交換できる程度にポイントが貯まります。(softbankは使った事無いので知らん:-))
また、docomo は機種使用期間2年以上で電池パックをもらえます(回線契約期間10年以上は1年〜、スマフォはポイント交換)
auは月額315円の安心サポートを付けると期間限定ですが電池パック無料提供があります。
softbankも申込期間限定で電池パック無料サービスがあるようです。

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改版履歴

2012.10.31
「サポートコインで電池パックを買えなくなった」を追加
2012.06.28
誤記訂正、遅延について追記(各通信アダプタ経由での計測結果を追加)
2012.06.26
AIR発番、WILLCOM W-SIM FORUM 終了 について追記
2012.04.26
IRM廃止、低遅延について追記
2011.06.
ライトメールについて追記
2010.12.
W-SIM, RX430AL, W-OAM TypeG について追記
2010.02.22
初版(主に WX-WSADP について)

更新日 : 2012年10月31日 (973)

CORY's twilight zone > 98備忘録 (tips)[an error occurred while processing this directive] > WILLCOM W-SIM を使う


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